中村哲氏を「福岡市名誉市民」に

[ 2020/03/25 ]

 中村哲氏は,昭和21年に福岡市で生まれ,市内の中学校,高校で学び,その後,九州大学医学部を卒業後,国内の病院勤務を経て,昭和59年にパキスタン北西辺境州の州都ペシャワールの病院に赴任され,ハンセン病などの治療に始まり,難民キャンプや山岳地域での診療へと活動を広げ,平成3年にアフガニスタンに最初の診療所を開設されました。その後,アフガニスタン東部山岳部の3診療所を中心に医療活動を行う中,平成12年に大干ばつがアフガニスタンを襲った際,医療だけでは人の命を救うことができない現実を前にし,安全な水を得るため,1,600本の井戸を掘り,さらには日本伝統の治水技術を用いて灌漑用水路を建設し,広大な農地を回復,開拓されました。用水路工事は雇用を生み,難民の帰還を促すとともに,彼らが農民として平和に暮らすことを可能にしました。

 

 その後も,ペシャワール会の現地代表として常に医療や国際協力の現場で先頭に立ち,農地の回復,開拓を続け,令和元年までに1万6,500ヘクタールの大地を緑に甦らせ,多くの人々に水の恵みをもたらしました。

 

 同氏の活動は国内外で高く評価され,これまでに,アジアのノーベル賞とも呼ばれるマグサイサイ賞をはじめ,ガジ・ミール・マスジット・カーン勲章(アフガニスタン国家勲章),旭日双光章など,数々の賞を受賞され,福岡市においても,平成25年に福岡市出身者として初めて,福岡アジア文化賞大賞を贈賞しました。さらに,令和元年10月には,アフガニスタンから名誉市民権が授与され,亡くなられた後においても,長年にわたる国際人道支援や国際協力への貢献を称え,同年12月には旭日小綬章が授与されています。

 同氏の異文化の理解と尊重を求め,真の平和構築を目指された功績は,誠に顕著であり,文化の発展向上等に大きく寄与するものです。

(2020年3月)

 

 

 

 

福岡県では、12月4日、アフガニスタンで凶弾に倒れ、ご逝去された本県出身の中村哲医師に対し、これまでのご功績を称え、

「福岡県県民栄誉賞」を贈呈することとしました。

(2020年1月)

 

 

 

 

 

 

 

 

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